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2021年1月26日現在
不動産の売却時には様々な諸経費が必要になります。税金もその一つです。
また、不動産取引については税金の知識、特に節税対策が重要なポイントです。
なお、税法は、毎年改正されるためその動向に注意して、不明な点は自己判断せずに税理士等の専門家に事前に確認することも大切です。
では、売却時にどのような税金が課税されるのか、
その種類を確認してみましょう。
譲渡所得金額とは、不動産を売却した時に得られた「譲渡所得(利益)」にかかる不動産売買の税金のことです。
譲渡所得に対しては、他の所得と分離して所得税と住民税が課税されます。なお、譲渡所得がマイナスの場合には課税はされません。
「譲渡所得金額」は、譲渡による収入金額(譲渡金額)から、その不動産を取得したときの価額や取得に要した費用(取得費)、及び譲渡に要した費用(譲渡費用)を差し引いて計算されます。この「譲渡所得金額」から、さらに特別控除の適用がある場合にはその特別控除額を控除して求めたものが、税額計算の基礎とされる「課税譲渡所得金額」と言われるものです。
譲渡所得=譲渡価格-(取得費(※1)+譲渡費用(※2))
課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除(※3)
税額=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)
譲渡益に対する税率は他の所得と分離して、分離課税の税率となります。
対象となる不動産の用途や所有期間により税率が異なります。
譲渡所得は、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれ税率が異なります。
所得税 | 住民税 | |
---|---|---|
短期譲渡所得 (売った年の1月1日現在において所有期間が5年未満の場合) |
税率30% | 税率9% |
長期譲渡所得 (売った年の1月1日現在において所有期間が5年を超える場合) |
税率15% | 税率5% |
(※1)取得費
取得費は実額法、概算法の内、大きい金額を提要します。
実額法…売却した土地や建物の購入価格(建物は減価償却後)、購入の際に支払った立退料、移転料、購入契約書に添付した印紙税、登録免許税や登録手数料、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、搬入日や据付費、建物等の取り壊し費用、申告期限後3年以内に譲渡した場合の相続税等。購入時の契約書、領収書によって確認します。
概算法…実際の取得費が不明な場合は、譲渡価格の5%となります。
(※2)譲渡費用
土地や建物を売却するために要した費用のことで、売却の際の仲介手数料、売却に伴う広告費用や測量費売買契約書に貼付した印紙税、売却時に支払う立退料、建物等の取り壊し費用等。
(※3)特別控除
自分の住まいの譲渡所得に対する課税の特例は5つあります。
①3,000万円特別控除
②居住用財産の譲渡の低率課税(軽減税率)
③特定の居住用財産の買い換え特例
④居住用財産の買い換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
⑤特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
なお、特例を受けるには一定の要件を満たし、確定申告をする必要があります。
自宅やその敷地を売却し、売却によって利益(譲渡所得)が発生しても、自宅の売却であれば、譲渡所得3,000万円までは実質的に課税しないという制度のことです。
① |
現在主として住んでいる自宅を売却した時。 (家屋と共にその敷地や借地権を売る場合も含む) |
② | 自宅を売却する年の前年及び前々年に、居住用財産の3,000万円特別控除又は居住用財産の 譲渡損失の繰越控除の特例の適用を受けていないこと。 |
③ | 売手と買手の関係が、配偶者または直系血族、売主と一緒でないこと、生活している配偶者及び直系血族以外の親族等でないこと。 |
④ | 別荘など主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋でないこと。 |
自宅を売却した際に、譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算するという特例です。
具体的には次の税率になります。
・譲渡所得6,000万円以下の部分・・・税率 所得税10% 住民税4%
・譲渡所得6,000万円超の部分・・・・税率 所得税15% 住民税5%
① |
現在主として住んでいる自宅を売却した時。 (家屋と共にその敷地や借地権を売る場合も含む) |
② | 売却する年の1月1日において、家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えている。 |
③ | 売却する年の前年及び前々年に、居住用財産の軽減税率の特例を受けていない。 |
④ |
売った家屋や敷地について居住用財産の買い換え特例などの適用を受けていないこと。 (ただし、居住用財産の3,000万円の特別控除の特例とは、重ねて適用を受けられる) |
長短区分 | 短期 | 長期 | |
---|---|---|---|
期間 | 短期5年以下 | 長期5年超 | 長期10年超 |
非居住用 |
短期譲渡取得 所得税 30% 住民税 9% |
短期譲渡取得 所得税 15% 住民税 5% |
|
居住用 |
短期譲渡取得 ※3,000万円特別控除 所得税 30% 住民税 9% |
長期譲渡取得 ※3,000万円特別控除 所得税 15% 住民税 5% ※居住用財産の買い換え等の場合の譲渡 損失の損益通算および繰越控除 ※特定居住用財産の譲渡損失の損益通算 および繰越控除 |
|
○譲渡損失がある場合・原則として損益通算、繰越控除はできません。 |
※10年超所有軽減税率の特例 ※特定居住用財産の買い換え特例 |
10年を超えて所有する自宅を買い換えずに譲渡する場合、
「3,000万円特別控除の特例」と「10年超所有軽減税率の特例」は重複適応することができます。
また買い換えをして譲渡をした場合には上記の2つの特例を適応するか、又は買い換えの特例を適応するか選択ができます。
売却益に対してかかり、道府県民税、市町村民税(東京23区は特別区民税)など。
媒介業者等への手数料にかかります。
取得時と同じく売買契約書にかかります。
上記の税金はいずれも「納める」ものですが、住宅ローン控除により戻ってくる税金(所得税)もあります。
また住宅ではなく事務所等の場合や、事務所兼住宅等の場合で一定規模以上のときには、取得時と保有時のそれぞれに事業所税が課税されます。