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岡山マンション市況物語|第11話 媒介契約は、専任と一般のどちらを選ぶべきか?

2026.09.07

媒介契約は、専任と一般のどちらを選ぶべきか?

「何社にも頼んだ方が早く売れますか?」

岡山市内のマンションを売却することになった売主様から、次のような質問がありました。

「一社だけに任せるより、何社にも頼んだ方が、早く高く売れるのではないですか?」

マンションの売却を不動産会社へ依頼するときは、「媒介契約」を結びます。

主な選択肢は、一社へ任せる「専任媒介」と、複数社へ依頼できる「一般媒介」です。

どちらが優れているかではなく、物件の条件や売主様の希望によって、適した契約は異なります。

専任媒介と一般媒介の違い

専任媒介は、売却活動を一社へ任せる契約です。

窓口が一つになるため、問い合わせや内覧、価格交渉などの状況をまとめて把握しやすくなります。

依頼を受けた不動産会社には、レインズへの登録や、売主様への定期的な活動報告が義務付けられています。

一方、一般媒介は、複数の不動産会社へ同時に依頼できる契約です。

各社がそれぞれ買主を探せるため、一見すると情報が広く伝わるように感じます。

ただし、複数社との連絡や内覧日程、広告内容、価格変更などを、売主様自身が整理する必要があります。

主な違いをまとめると、次のようになります。

比較項目 専任媒介 一般媒介
依頼できる会社 一社 複数社
売主様の窓口 一つ 複数
レインズへの登録 義務あり 義務なし
定期的な活動報告 義務あり 義務なし
売主様が見つけた買主との契約 原則可能 可能

専任媒介の有効期間は最長3か月で、レインズへの登録期限は契約日の翌日から7営業日以内、活動報告は2週間に1回以上です。なお、専属専任媒介では条件がさらに厳しくなります。国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」

一般媒介なら、本当に広く売れるのか

一般媒介で複数社へ依頼しても、単純に買主の数が増えるとは限りません。

同じ物件が各社のホームページや不動産情報サイトへ重複して掲載されると、買主から、

「なぜ多くの会社が同じ部屋を掲載しているのだろう」
「売却を急いでいるのではないか」

と思われることがあります。

広告ごとに写真やコメント、物件情報が異なると、どれが正しい情報なのか分かりにくくなる場合もあります。

また、専任媒介であっても、レインズへ登録すれば、ほかの不動産会社から買主の紹介を受けられます。

「一社へ任せること」と「一社だけで買主を探すこと」は、同じではありません。

岡山では物件ごとの戦略が重要

岡山の中古マンション市場では、マンションの立地、築年数、間取り、駐車場、価格帯によって、対象となる買主が異なります。

岡山駅周辺のタワーマンションや希少性の高い住戸であれば、県外の購入希望者や投資家への提案が有効なこともあります。

一方、大元、北長瀬、問屋町など、実際に住む買主が中心となるエリアでは、駐車場の有無や周辺の競合物件との比較が重要になります。

必要なのは、依頼する会社の数を増やすことだけではありません。

そのマンションを探している買主へ、物件の魅力をどのように届けるかです。

専任媒介が向いているケース

次のような場合は、専任媒介が向いています。

  • 信頼できる担当者へ販売を任せたい
  • 窓口を一つにまとめたい
  • 定期的に販売状況の報告を受けたい
  • 写真や広告の見せ方を統一したい
  • 反響を分析しながら販売方法を調整したい
  • 居住中のため、内覧日程を整理したい

専任媒介では、問い合わせや内覧後の感想を一社が集約できます。

そのため、「価格に問題があるのか」「写真や広告に改善点があるのか」「駐車場が検討の障害になっているのか」を判断しやすくなります。

一般媒介が向いているケース

一般媒介が向いているのは、次のような場合です。

  • 複数の会社へ依頼したい明確な理由がある
  • 各社との連絡や内覧調整を自分で管理できる
  • 売却を急いでおらず、広く可能性を試したい
  • 各社の販売状況を比較しながら進めたい

ただし、一般媒介を選ぶ場合でも、依頼する会社を増やし過ぎない方がよいでしょう。

広告内容や販売価格を統一し、問い合わせや内覧の状況を売主様自身が整理する必要があります。

契約の種類より、担当者の動き方を見る

最初にご紹介した売主様は、複数社へ依頼できる一般媒介を検討していました。

しかし、各社の販売方法を確認すると、提案内容には違いがありました。

ある会社は、「ポータルサイトへ掲載します」という説明だけでした。

別の会社は、同じマンションの購入希望者への紹介、室内写真の撮影方法、周辺駐車場の調査、内覧後の報告、価格を見直す基準まで具体的に提案しました。

売主様は後者と専任媒介を結び、窓口を一本化しました。

販売開始後は、問い合わせや内覧の状況が定期的に報告され、買主の反応に合わせて写真や広告内容も改善されました。

結果として、販売開始から約二か月で購入申込みにつながりました。

売れた理由は、専任媒介を選んだからだけではありません。

担当者が市場の反応を確認しながら、必要な販売活動を継続したからです。

大切なのは「誰と、どう売るか」

専任媒介と一般媒介には、それぞれメリットがあります。

しかし、契約の種類だけで売却の成否が決まるわけではありません。

確認したいのは、

  • どのような買主を想定しているか
  • どのような広告や紹介活動を行うか
  • 他社からの買主紹介にも対応するか
  • どのように販売状況を報告するか
  • 反響がない場合に何を改善するか

という点です。

岡山でマンションを売るときに大切なのは、依頼する会社の数ではありません。

「自分のマンションを理解し、売却まで責任を持って動いてくれる担当者がいるか」

ということです。

媒介契約を選ぶことは、書類の形式を選ぶことではありません。

大切なマンションを、誰と、どのような方針で売っていくかを決めることなのです。

次回予告

第12話
「広告に出せば、マンションは売れるのか?」

インターネットへ掲載するだけでは、物件の魅力は十分に伝わりません。買主に選ばれる写真、紹介文、販売活動について考えます。