
【岡山市編】遺された実家の相続放棄に関わる事例
岡山市における、「遺された実家の相続放棄」に関わる相談について弊社が担当した事例を基に、関係者や物件が特定できないように、複数の事実を改変・翻案してまとめた「想定事例」として3つご紹介します。
大阪府にお住まいのT様が、「実家を査定してもらい、相続放棄を検討した事例」

お客様の相談内容
●物件 概要
所在地 | 岡山市東区 | 種別 | 一戸建て |
---|---|---|---|
建物面積 | 100.26m² | 土地面積 | 258.72m² |
築年数 | 49年 | 査定価格 | 600万円 |
間取り | 4DK | その他 | ― |
●相談にいらしたお客様のプロフィール
お客様は大阪府にお住まいの50代のT様です。
お父様がお亡くなりになり、T様は岡山市内にあるご実家を相続することになりましたが
T様は現在のご自宅からご実家に移り住む予定はありません。
また、お父様には借金があり、相続することで借金も引き継ぐことになります。
もし、引き継ぐことになった場合は、ご実家を売却し、その売却益を借金の返済に充てようと考えています。
しかし、T様はお父様の借金額を把握していません。
解決したいトラブル・課題
父の借金を相続した場合、その借金を実家の売却益で返済したい。
ひとまず、T様は借金の返済に備えて、ご実家にどのくらいの価値があるのか知るために査定してもらうことにしました。
不動産会社の探し方・選び方
借金額はまだ不明ですが、返済のことを考えるとなるべく高く売却してくれるところが良いと考えたT様は以下のことを重視して、不動産会社を選ぶことにしました。
・売却・買取とも実績が豊富で、適正な価格を提案してくれそう
・地域に密着しており、岡山市の不動産市場に精通している
「地域に密着しており、岡山市の不動産市場に精通している」点を重視した理由は、地域ならではの「売れやすいタイミング」などを考慮した提案がもらえると思ったからです。
T様の「トラブル・課題」の解決方法
T様は市内の複数の不動産会社に査定してもらった結果、査定価格は変わりませんでした。
その中で、査定結果と併せて「借金を引き継がずに済む手段」について紹介したウェーブハウスに興味を持たれたそうで、相談いただけることになりました。
T様はご実家を売却し、その売却益でお父様の借金を返済したいとのことでしたが、もし売却益が借金額を下回った場合のことを懸念されていらっしゃいました。
したがって、借金を引き継がずに済む手段をいくつか提案させていただきました。
1.借金を引き継がずに済む手段
相続財産の中に、借金といったマイナスの財産が含まれていた場合は、以下の手段をとることで引き継がずに済みます。
【借金を引き継がずに済む手段】
相続放棄 | 相続放棄は、相続人が被相続人の全ての財産を一切引き継がないとする手続きです。これが最も一般的な手段です。 〈注意点〉 |
---|---|
限定承認 | 限定承認は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を支払う方法です。 〈注意点〉 |
上記を踏まえると、
・借金が明らかにプラスの財産を上回る場合は相続放棄
・プラスの財産が借金より多い場合、マイナスの財産がどれくらいあるか分からない場合は限定承認
を選択すると良いでしょう。
ただ、限定承認は相続人全員の同意が必要で、申述にも非常に手間がかかり、受理された後の手続きもあり、相続完了までにとても時間がかかるため、あまり行われません。
また、「相続放棄」「限定承認」を検討している場合は、どちらも相続を知った日から3ヶ月以内に手続きしなければなりません。
もし、その期間を過ぎてしまうと単純承認と見なされ、結局全ての財産を引き継ぐことになってしまいます。
2.「結果」
T様は検討の結果、限定承認の手続きが負担になるため、お父様の借金額がわかったら、単純承認か相続放棄にするとのことで、ご実家の査定だけさせていただきました。
単純承認をすることになったら、売却を弊社におまかせいただけるそうです。
遠方にお住まいのS様が、「岡山市の実家を相続したが弟に引き継がせるため相続放棄を実行した事例」

お客様の相談内容
●物件 概要
所在地 | 岡山市北区 | 種別 | 一戸建て |
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建物面積 | 112.05m² | 土地面積 | 254.39m² |
築年数 | 52年 | 成約価格 | ― |
間取り | 5LDK | その他 | ― |
●相談にいらしたお客様のプロフィール
お客様は、東京都にお住まいの60代のS様です。
お母様がお亡くなりになり、S様と弟様は岡山市内にあるご実家を相続することになりました。
弟様は岡山市に住んでおり長年、お一人でお母様の介護を行っていました。
一方のS様はお仕事の都合で遠方に住んでいることもあり、介護を手伝うことができず、弟様に任せっきりになっていたので、そのことを申し訳なく感じています。
したがって、S様は弟様に全ての財産を相続して欲しいと考えています。
解決したいトラブル・課題
相続放棄を行い、弟に財産のすべてを相続させたい
S様兄弟は話し合い、S様が相続放棄を行うことで合意しています。
弟様は現在のご自宅からご実家に移り住む予定はないため、売却をお考えです。
しかし、S様兄弟は不動産を相続するのは初めてだったため、何からはじめたら良いか分かりません。売却相談をするためにひとまず、不動産会社に査定してもらうことにしました。
そこで相続放棄の方法についても相談できたら良いと思っています。
不動産会社の探し方・選び方
S様はお仕事が忙しいため、手続きなどは弟様が行うことになりました。
そのため、弟様が通いやすいよう岡山市内の不動産会社に相談することに決め、その際に
・不動産の売却以外の相談も対応可能
・相続不動産に知見がありそう
上記2点を重視してインターネットで探しました。
S様の「トラブル・課題」の解決方法
複数の不動産会社のホームページを見比べた結果、司法書士や税理士といった専門家と連携しているウェーブハウスが気になったそうで、相談いただけることになりました。
S様は弟様にご実家を相続させるために相続放棄を、弟様はご実家の売却を希望されています。
まずは「相続放棄」の手順から説明いたしました。
1.「相続放棄」の手順
相続放棄は、相続開始から3ヵ月以内に行わなければなりません。
【相続放棄を自分で行う手順】
1. 相続財産の調査
2. 申述にかかる費用の準備
書類の取得にかかる費用は、約3,000円~5,000円です。
3. 必要書類の準備
・申述する人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
・被相続人の死亡の記載のある戸籍・除籍謄本(戸籍全部事項証明書)
・被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票
・相続放棄申述書
※被相続人との関係によっては、上記以外の書類が必要になります。
4. 家庭裁判所に相続放棄の申述をする
被相続人が亡くなった時に住んでいた地域を管轄する裁判所に申述します。
5. 裁判所から届く照会書に必要事項を記入し、返送
約10日後に家庭裁判所から照会書が届きます。
6. 許可されたら相続放棄申述受理書が届く
照会書を返送してから約10日後に相続放棄申述受理書が届きます。
相続放棄の手続きは、司法書士や弁護士に依頼する事もできます。
その際の費用は、相続人の人数や相続財産によって約3万円~10万円かかります。
2.「結果」
S様は手続きが難しそうなので専門家にお願いしたいとのことで、弊社と連携する司法書士がサポートさせていただいております。
現在は、相続放棄申述受理書が届くのを待っており、届き次第、売却手続きに移る予定です。
岡山市にお住まいのA様が、「相続放棄ができなかったので買取してもらった事例」

お客様の相談内容
●物件 概要
所在地 | 岡山市南区 | 種別 | 一戸建て |
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建物面積 | 92.73m² | 土地面積 | 209.22m² |
築年数 | 51年 | 買取価格 | 390万円 |
間取り | 5DK | その他 | ― |
●相談にいらしたお客様のプロフィール
お客様は、岡山市にお住まいの50代のA様です。
2年前にお母様がお亡くなりになり、A様は市内にあるご実家を相続しましたが、相続手続きなどが面倒で一切行っていませんでした。
加えて、A様はお仕事が忙しく管理なども行っていなかったため放置されている状態です。
A様は現在のご自宅からご実家に移り住む予定がなく、保有していても仕方がないため、手放すことにしました。
解決したいトラブル・課題
仕事が忙しいため、手間や費用がなるべくかからない方法で実家を手放したい。
お仕事が忙しいA様は時間がかからない方法で実家を手放したいと思っています。
以前、相続経験のある友人が「『相続放棄』であれば財産は手に入らないが手続きは少なくて済む」といっていたことを思い出し、相続放棄をしようと考えています。
ひとまず、ご実家を手放すことが目的であるA様は不動産会社に相談することにしました。
不動産会社の探し方・選び方
A様は通いやすさを重視し、市内の不動産会社をネットで検索しました。その際に、
・相続放棄についても説明してくれそう
・迅速に対応してくれそう
といった2点を重視して相談する不動産会社を探しました。
A様の「トラブル・課題」の解決方法
複数の不動産会社のホームページを見比べた結果、士業との連携があり様々な手続きのトータルサポートが可能だったウェーブハウスが目に留まったそうで、相談いただけることになりました。
手間や費用がかからない方法で相続不動産を処分する方法では、「相続放棄」が短期間で手続きが完了する可能性が高いですが、A様に詳しくお話を伺うと、A様のケースでは相続放棄できませんでした。
1.「相続放棄」が行えないケース
「相続放棄」は誰しもが行える行為ではありません。
「相続放棄」が行えないケースは以下の通りです。
【相続放棄が行えないケース】
- 相続放棄の期限を過ぎてしまった場合
相続放棄には相続の開始(被相続人の死亡)を知った日から3ヶ月以内に行わなければなりません。そのため、その期間を過ぎてしまうと相続放棄ができなくなります。 - 被相続人の自宅に住んでいる場合
相続放棄は、プラスの財産も含めてすべて手放すことになります。
例えば被相続人と同居している場合、相続放棄すると住まいを失うことになるため、相続放棄ができません。 - 単純承認が成立してしまった場合
相続開始から3ヶ月以内に相続財産の一部でも処分すると、相続放棄の権利を失い、すべての財産を相続する「単純承認」が成立してしまいます。
相続放棄は「相続開始を知った日」から3ヶ月以内に行うものですが、A様の場合「相続を知った日」からすでに2年が経過していました。
さらに、A様はお母様の預金を葬儀代の支払いで使用しており、この部分が単純承認に該当する可能性があります。
2.「結果」
A様は「相続放棄」ができないことを知り落胆されましたが、代案として「買取」を提案しました。
この方法が一番手間がかからず、A様の負担を軽減できることを説明すると、A様にご納得いただけました。
相続登記は弊社と連携している司法書士で行い、その後買取手続きに入りました。
相続放棄はできなかったものの、弊社と司法書士からのサポートもあり、思っていたほど手間をかけず実家を処分できたことでA様は大変満足されていました。